採用エントリー
(営業時間 平日00:00~00:00)
概要
概要
吊り天井の開口補強についての紹介
ポイント要約

・在来天井下地の開口補強方法
・クロス金具の使用例

  作成日:2019年12月13日(令和1年)
最終更新日:2025年01月14日(令和6年)

1.はじめに

 吊り天井には、照明やアネモ、点検口など、さまざまな設備機器が取り付けられています。これらの機器を設置する天井部分は開口部となり、在来天井では大きな開口や点検口の場合は補強が必要となります。今回は、開口部の下地材(LGS)の構成についてご紹介します。

2.在来天井の開口補強

 開口部では、設備機器に干渉しないように吊りボルト・野縁受け・野縁を必要に応じて切断します。
 参考図書(1)には「野縁が切断された場合は、野縁または野縁受と同材で補強を行う。野縁を切断しない場合でも、設備機器の形状・大きさなどに応じて必要な補強を行う。」とあります。補強要素には、次の3つがあります。

  • ①吊りボルトの増し吊り
  • ②補強野縁受けの追加
  • ③補強野縁の追加

 天井点検口を取り付ける際には、点検口枠の取付け用補強材(野縁受けの直交方向に設置する追加の野縁受け)も必要となります。点検口の取り付け方法を詳しく知りたい場合は、ページ下部にある【標準詳細図(外部サイト)】のリンクを参照ください。

3.開口補強の例

 天井開口として大きめのエアコン吹き出し口(900×900)を想定したモデルが、下記の写真に示されています。吹き出し口が収まる範囲で下地が干渉しないよう、野縁と野縁受けを切断してあります。

①吊りボルトの増し吊り

 中央の吊りボルトが切断されているため、中央列の野縁受けは吊りボルトから450mm持ち出しとなっています。参考図書(1)にある「野縁受の持出しが300mm以上になる場合には増し吊りを行う」という内容を踏まえ、持ち出しを150mmに抑えるよう増し吊りを行っています。
 天井上部が配管などで塞がれている場合、両側の吊りボルトに水平材を設け増し吊りを行う方法があります。この方法はアンカーを設けられない場合の措置です。荷重が大きい場合やスパンが長い場合は、C38材が大きくたわんだり、ねじれが生じる可能性があるため、使用材の選定に注意が必要です。一般的には、あと施工アンカーを設けて増し吊りを行います。

②補強野縁受けの追加

 補強野縁受け(追加野縁受け:横方向)は、参考文献(2)にある「野縁は、野縁受から150mm以上はね出してはならない」という規定をもとに、切断された野縁の持ち出しが150mm以内に収まる箇所に設置します。
 また、画像の補強野縁受け(追加野縁受け)は、画像の左右両端にある切断されていない野縁(縦方向)と接合されています。

②補強野縁の追加

 補強野縁(追加野縁:縦方向)は、開口部のすぐ近くに設置しています。
 また、補強野縁(追加野縁)の両端部は、切断されていない野縁受け(ハンガーで吊っている野縁受け)まで伸ばしクリップで接合(黄色部分)しています。

4.設備の取付け例

 開口部に設ける設備機器の重量が大きい場合、設備用のインサートから単独で吊り下げますが、比較的軽量な場合(照明器具など)、野縁受けから吊るすことがあります。

野縁受けの上にワイヤークリップで
追加野縁受けを固定

照明器具


 任意の場所から吊るすために追加野縁受けを新たに設けます。追加野縁受けは、野縁受けに直交する向き(野縁と同じ方向)で取り付けるため、接合にはクロス金具(交差金具)を使用します。
 手軽に固定できるワイヤークリップが広く使用されていますが、何らかの衝撃が加わった時に接合部が外れにくい金具(ボルトやビスによる固定が可能な金具)の使用を推奨いたします。

クロス金具の一覧

金具の取り付け状況

5.まとめ

 吊り天井の開口部の補強例と設備の取付け例をご紹介しました。

参考図書:(1) 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 26 内装工事,日本建築学会
     (2) 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版,国土交通省
※当ページに関する内容で生じた障害には一切の責任を負いません。ご不明点は監理者にご確認ください。



TOPへ