
・隙間なし天井および緊結についての説明
・衝撃試験結果の一例
作成日:2021年08月05日(令和3年)
最終更新日:2024年12月23日(令和6年)
試験内容について、ご紹介いたします。
1.隙間なし天井とは
特定天井に関する設計ルートのうち、仕様ルートの『周囲の壁等との間に隙間を設けない仕様』(告示第3第3項)は『隙間なし天井』と呼ばれています。
地震時に天井面に加わる外力を、天井面構成部材(野縁受けから仕上げ材に至る天井面を構成する部材)及び、周囲の壁などを介して構造躯体に伝達することで、構造耐力上の安全性を確保しよううとするものです。
隙間なし天井も『天井材を相互に緊結すること』が定められていており、『ねじ接合、ボルト接合その他これらに類する接合方法』で留め付ける必要があります。
なお、野縁(Mバー)と野縁受け(チャンネル)を固定するクリップ接合部に関しては、『耐風圧クリップ相当の緊結度合いを別途定める試験方法により確認されたものを使用する(付録1)』とされています。この別途定める試験方法が『クリップの接合部の衝撃試験』になります。
2.試験及び評価方法
今回、当社で試験を実施したC-38用のクリップは、次の3種類になります。
- 耐風圧クリップ(板厚1.6mm)
- 耐風圧クリップ押上式Ⅰ(板厚1.6mm)
- 耐風圧クリップ押上式Ⅱ(板厚1.2mm)
試験方法:クリップを含む試験体に、一定の高さから一定の錘を自然落下させ、その際の変位量を測定、損傷の有無・度合いを確認する(野縁・野縁受け・天井面法線方向の3方向)。
評価方法:全ての試験体で接合部に生じた残留変位が閾値(5mm)を超えず、かつ顕著な損傷を生じていない場合、対象とする接合部は緊結であると評価する。

3.試験結果
試験結果:以下の5種類は、全ての試験体で残留変位が5mmを超えず、また、顕著な損傷を生じていなかったため、これらのクリップを用いた接合部は緊結であると評価する。
- 耐風圧クリップ S・W
- 耐風圧クリップ押上式Ⅰ- S・W
- 耐風圧クリップ押上式Ⅱ- W ※Ⅱ-Sは残留変位が5mmを超えたため除く

※変位データがマイナスに振れていない(試験装置が十分に剛である)ことも確認できる。
※C38用以外のクリップについては試験を行っておりません。
※緊結クリップは、板厚が耐風圧クリップと同じ1.6mmあり、また、野縁及び野縁受けとビスで接合しているため(ねじ接合)、緊結とみなし試験は実施しておりません。
4.試験成績書について
衝撃試験の成績書が必要な場合は、該当の製品ページよりダウンロードしてください。
※ユーザー登録・ログインが必要になります。
5.まとめ
隙間なし天井で求められるクリップ接合部の衝撃試験について当社で実施した状況などをご紹介しました。緊結であると評価したクリップには、カタログに緊結マークを付けています。
隙間あり天井では、耐震ブレースが必要になり、ブレース近傍の接合部に一定の強度が必要になります。別途、水平方向の許容耐力が検証された金具(ハグロック・野縁滑り防止金具)をご利用ください。
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